tsuyukusa's blog

心理学あたりのあれやこれや

援助行動

他者がいる際の援助行動には主に2点あります。

 

「責任拡散効果」と「社会的参照」です。

 

緊急事態が生じてもスタート時点では「誰も援助していません」。Inaction から action に移らないといけないわけです。即座に誰かが動いたという場合以外では、だいたい周りの人を見ると「誰も(まだ)援助していない」という情景が見えるわけです。すると、互いが互いを参照して、「援助するべき状況か?」「自分がすぐ介入しないといけないか?」他者を参照するとそこに「動かない他者」がいます。結局これが牽制効果になってしまい援助の生起スピードを遅らせてしまいます。

 

援助すべきかあいまいな状況に見受けられる場合には、周りが動いていなければ、「そう取り立てて騒ぐべき状況とは言えないのかもしれない」と、自身の直観を否定して援助しない行動(非援助)に右にならえしてしまうということも起こります。

 

ラタネらの「発作」の実験は、この2つの効果を切り分ける意味もあり、「女性の怪我」の実験では前に座っていた他者の様子が見えましたが、この場合は「ブース」に1名、1名いるという状況によって、「他者がどう反応しているかが見えない」という状況を作り出すことによって、より純粋に「責任拡散効果」の検証たり得ています。

 

このように1つ、1つの要因を切り分けて実験していくという方法も大切です。

社会的参照についてはまた別の実験を行って取り組むといったわけです。